「歴史的認識」について考える

 

 外交問題に、国会問答に、新聞・TVに、「歴史的認識」が問われている。

 海軍時代の時のことを、「MMK」(もててもててこまる)と書いたとき、「だから戦争に負けたのですよ!」とそばから批判され、なにか責任を問わされいるような感じをもつたことがあった。

 「生きるか死ぬか!」といったぎりぎりの場におかれたことの無い自分としては何も云われた義理ではないとの思いはあるが、「歴史的認識」について考えることを書いておこうと思う。

 その考えのきそに「私はエピデミオロジスト」という認識と、とくに「コホ−ト分析的思考」があるという立場があると思う。

 アメリカで今、イラン戦争で息子を亡くした母親の発言が話題になっている。

 わが国でも北へ子供を拉致された母親の声が世に響いている。

 想像からその感情は分からないわけではないが、戦死した息子がどう思っていたかはわからない。戦争への歴史的認識とからまる問題でもある。

 戦争といっても自分では「日清・日露の戦争」のことではない。「大東亜戦争・太平洋戦争」のことであると書いたことがあった。自分は大正10年生まれの者で、世の中では「紀元は2600年!」と云われた時代に育った者である。

 今戦後60年が話題のテ−マであることを考えれば、60歳以下の方は戦争のことは実際には知らない、体験の無い方々である。その方々の意見・考え方はいつどんな形で形つくられてゆくのであろうかと思う。

 先日亡くなった後藤田正晴さんの発言を国会で話題にした方がいたが、後藤田さんのような体験はない方々の発言である。ご自分はどんな体験をもちどんな意見をもつのかを聞きたいと思った。

 「コホ−ト分析的思考」とは生まれ育った時代時代によって、人々の考え行動はことなるものではないかという考え方である。

 人が生まれ育ってゆく過程において、その人としての考えはどのように形づくられてゆくものであろうかということを考える立場である。

 「認識論」というと「哲学」において問題になるテ−マであることは見聞きしたことから考えるが、「哲学」のことは自分としては分からないので深入りすることはしない。ただ自分勝手にのべているにすぎないことをお許しいただきたいと思うだけである。

 私の読書歴からいえば比較的乱読であったと書いたことがあったが、「歴史」について云えば、福沢諭吉先生の著作・増田四郎先生の著作に影響を受けたことが考えられ、「毎日毎日が歴史である」と書いたこともあった。

 近ごろ考えることに「植民地政策」はどんな時に生まれたかと思う。それが決められたときどんな意見・考え方があったのであろうかと思う。

 日中・日韓に関わる問題を考えるとこの問題に行き当たる。

 韓国を併合し、満州国ができた時のいきさつに関係がある。

 学生時代に「リットン卿報告」とかあった記憶があり、学生義勇軍といって学生時代に満州へ行った思い出とも重なる。

 欧州の長い歴史の中で、「植民地政策」がどんな場合に生まれてきたかと思う。アフリカが分割され、国境線の多くが直線であることをみて思う。

 アメリカの独立の歴史を読んだり、星条旗の星の数が増えていった歴史を思う。

 また明治維新のあと日本が世界の仲間入りをしたとき、福沢先生が「大日本帝国」と書いているのを読んだことがあるが、イギリスが「大英帝国」とてして世界に広がっていった歴史を思う。今もカナダで「第27代総督」が任命されたと深夜放送でいっていた。

 第1次世界大戦の時は日本は勝ち組であり、国際連盟(リ−グ)に入ったが、第2次世界大戦のあと国際連合(UN)ができたときは、日独は「敵国」と名付けられ、今に及んでいる。 このような国際関係の歴史をどう考えたらよいのであろうかと思う。

 今の日本の大部分の方々は、体験もないのに、色々の記録・文学・小説などの書かれたものを読んで、何か自分の意見のように思いこんでそれを云っているにすぎないのではないか。

 「歴史的認識」についてのまとめは、ご自分の体験からものをいうべきであって、いわば他人の考えに「精神的拉致」された意見からの質問はどうかとかと考えるのである。 

 医学的に云えば私は1918年に世界に流行した「スペイン風邪」の免疫はないと思う。私の生まれる前のことだからである。だが天然痘やコレラについては若干の免疫はあるのではないかと思っている。

 日本の9.11は小泉さんの一人勝ちであった。ロシアのプ−チンも同じようである。しかし一年後はどうなるものかと思う。ドイツまたニュ−ジ−ランドはまっ二つである。ハリケ−ンにあったアメリカ南部の懐かしの町の方々はお気の毒だと思う。オランダはどうなるのかとも考える。ガソリン値上げで苦しむ方々がいる一方ガソリン産業で町の収入が増えて、その利益を日本のお金として3万円も一人一人に分配したと深夜放送のワ−ルドニュ−スで聞いた。

 これから世の中はどうなって行くものかと思う。

 今日10月1日は6つ違いの兄の誕生日である。元気でいるようだ。(20051001)

弘前市医師会報,309,26−27,平成18.10.15

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