「大義はおどる」

 

 「大義はおどる」は「会議は踊る」のパロデイ−である。

 「会議は踊る」の映画は面白く、その主題歌はドイツ語時代のわれわれには懐かしい。

 日本衛生学会(高桑会長)の懇親会が札幌のビ−ル園で開かれたとき、先輩方と肩をくんで「会議は踊る」を歌ったことを思い出す。

佐々木・渡辺・佐野、額田・藤原・大平先生と(昭和56.5)

 ところで、こんどのイラク戦争に「大義ありや、否や」の議論が、国会・新聞・TVと盛んである。

 「大義」にはどんな意味があるのであろうか。また「義」にはどんな意味があるのであろうか。辞書にはそれぞれ解説があるが。

 「義を知るものに国を与えてもよい」とかいう言葉が古典にあった記憶がある。

 慶應義塾を創設された福沢諭吉先生が何故「義塾」と名付けたかを考察したことがあった。

 記録にはなく、先生に聞くほかない。一説に英国での「public school」の中国訳に「義校」とあったことが推測されることで終わってしまった。

 「文明論之概略」(福沢)にある「文明論とは精神発達の議論なり」とあり、「衆心発達論」的に「大義」を「相対的に考える」立場をとると、今の様子は「大義はおどる」となるのである。(20040222)

日本医事新報,4187,60,2004.7.24

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