私の小さいノ−ト

 

 ラジオの深夜便で、昭和はじめのころの歌として「勝太郎の島の娘」のあの高い細い声が耳に入ってきた。私が小学生時代に流行っていた歌だった。

 「主と一夜の・・・」と歌っていた。この文句が戦時中にはふさわしくないと改訂されたとの記憶がある。

 続いて増永丈夫さんの、藤山一郎のほうが一般的であろうが、「僕の春と・・」青春を歌ったメロデイが流れた。

 そして海軍に入ったとき自分のすきな歌を書き留めて持参した「小さなノ−ト」のことを思い出した。

 世界旅行のときも持参した。その後も好きな歌を書き留めたノ−トである。これをHPに入れておこうと思った。

 

 今とりだしてみると、歌の文句だけでなく、譜面も細かく書いてあるのもある。

 はじめのところには海軍で覚えた軍歌を沢山書いている。ほとんど覚えていないが文面をみると興味がある。

 ノ−トが一杯になったあとは前のあいているところに書き足した。従って順不同であるがいまほとんど一杯である。メロデイだけでなく、詩の文章も大切だと考えたのではなかったか。ある時代をおくった者の記録であり、わが愛唱歌のノ−トである。

 

 「国に誓う」 われら空ゆく白千鳥・・・

 「シャボン玉とんだ」 シャボン玉飛んだ屋根までとんだ・・

 「雪国」 好きよあなた今でも今でも・・・

 「波のり越えて」 ドントドント波乗り越えて・・・

 「恋人よ」  枯葉散る夕暮れは・・・

 「鉾をおさめて」 鉾をおさめて 日の丸あげて・・

 「出船」   今宵出船かお名残おしや・・・

 「さくら」  さくら さくら 弥生の空は・・・

 「浜辺の歌」 あした浜辺をさまよえば・・・

 「荒城の月」 春高楼の花の宴・・・

 「宵待草」  まてどくらせどこぬひとを・・・

 「城ヶ島」  雨はふるふる 城ヶ島の磯に・・・

 「椰子の実」 名も知らぬ遠き島より・・・

 「旅愁」   更けゆく秋の夜 旅の空の・・・

 「波浮の港」 磯の鵜の鳥や 日暮れにゃ帰る・・・

 「故郷の空」 夕空はれて秋風ふる・・・

 「日の出島」 黒潮躍る大洋に海濤花とちるところ・・・

 「故郷の家」 いくとせ故郷来てみれば・・・

 「かもめ」  かもめ かもめ さりゆく かもめ・・・

 「花」    春のうららの隅田川・・・

 「朝」    朝はふたたびここにあり・・・

 「ヲ−タ−ロ−」 渦巻く硝煙 飛び散る弾丸・・・

 「大日本の歌」 雲湧けり 雲湧けり・・・

 「海ゆかば」 海ゆかば みずくかばね・・・

 「愛国行進曲」 見よ東海の空あけて・・・

 「御民われ」 みたみわれ いけるしるしあれ・・・

 「命を捨てん」 命をすててますらをが・・・

 「箱根の山」 箱根の山は天下のけん・・・

 「牡蠣の殻」 牡蠣の殻なる牡蠣の身の・・・

 「この道」 この道はいつかきた道・・・

 「野行き山行き」 野行き山行きゆきくれて・・・

 「よさこい節」 わしの情夫(といち)は浦戸の沖で・・・

 「串本節」  ここは串本向かいは大島・・・

 「黒田節」  酒は飲め飲め飲むならば・・・

 「慶應義塾90周年記念」 光あふるる三田の山・・・

 「男なら節」 男なら男なら成れよアジヤの海賊馬賊・・・

 「若き血」 若き血に燃ゆる者・・・

 「塾歌」  見よ風に鳴るわが旗を・・・

 「躍る太陽」 躍る太陽煌めく大地・・・

 「丘の上」 丘の上には空が青いよ・・・

 「いまははや」 いまははや こっぱみじんのうち破り・・・

 「幻の門」 幻の門 ここすぎて・・・

 「腰の短剣」 中佐少佐はじじくさい・・・

 「水清く」 水清く屍といさぎよく・・・

 「三浦三崎」 三浦三崎よ どんと打つ波はよ・・・

 「スキ−の歌」 山は晴れて白く清く・・・

 「青島小唄」 白い灯台みどりの小松・・・

 「旅の夜風」 花も嵐も踏み越えて・・・

 「明日はおたちか」 明日はおたちか お名残おしや・・・

 「愛国の花」 真白き雪のけだかさを・・・

 「南洋航路」 赤い夕日が波間に沈む・・・

 「汽車の窓で」 汽車の窓で手をにぎり・・・

 「平野にて」 ほれていないのにあの馬鹿野郎が・・・

 「パラオ恋しや」 海で暮らすならパラオ島におじゃれ・・・

 「長崎物語」 赤い花なら万寿しゃげ・・・

 「轟沈」   可愛い魚雷を一緒につんだ・・・

 「ラバウル海軍航空隊」 銀翼つらねて南の前線・・・

 「暁に祈る」 あああの顔であの声で・・・

 「豪傑節」 雨は降る降る人馬はぬれる・・・

 「索敵行」 日の丸鉢巻き絞め直し・・・

 「出航用意」 勇ましく出航用意のラッパが響く・・・

 「銀座の恋の物語」 心の底までしびれるような・・・

 「月月火水木金金」 朝だ夜明けだ朝の息吹・・・

 「荒鷲の歌」 見たか銀翼この勇士・・・

 「海の進軍」 あの日揚がったZ旗を・・・

 「燃ゆる大地」 燃ゆる大空気流だ雲だ・・・

 「白頭山節」 泣くな嘆くな必ず帰る・・・

 「いい日旅立ち」 雪解け間近の北の空に向い・・

 「空の神兵」 藍より蒼き大空に大空に・・・

 「国旗軍艦旗」 天津日影に曇りなく・・・

 「軍艦」  守るも攻めるも鋼鉄(くろがね)の・・・

 「艦船勤務」 四面海なる帝国を守る海軍軍人は・・・

 「楠公父子」 天にあふるる其のまこと 

 「閉塞隊」  我が日の本に独り咲く・・・

 「第六潜水艦の遭難」 身を君国に捧げ行く・・・

 「軍人勅諭」 軍人なるの本分は心は忠に気は勇み・・・

 「元寇」   四百余州を挙る千万余騎の敵・・・

 「如何に狂風」 如何に狂風ふきまくも・・・

 「轟沈」   我国守る武士の日本心を人問はば・・・

 「上村将軍」 荒波吠ゆる風の音も・・・

 「太平洋行進曲」 海の民なら男なら・・・

 「日本海海戦」 海路一万五千余里・・・

 「荒鷲の歌」 若き血潮の予科練の・・・

 「大東亜決戦の歌」 起つや忽ち

 「進軍歌」  此の陽此の空此の光・・・

 「敵ハ幾万」 敵ハ幾万アリトテモ・・・

 「護れ太平洋」  海国日本躍進日本・・・

 「道ハ六百八十里」 道ハ六百八十里長門ノ浦を船出シテ・・・

 「青葉城恋唄」 広瀬川流れる岸辺・・・

 「戦友」   此処ハオ国ノ何百里・・・

 「嗚呼第四十三潜水艦」 外辺境に事繁く・・・

 「決死隊」 天皇(キミ)と国(クニ)とに尽すべく・・・

 「赤城の奮戦」 煙か浪かはた雲か・・・

 「勇敢なる水兵」 煙もみえず雲もなく・・・

 「日本海夜戦」 竜虎互いに相博ちて・・・

 「氷雨」   飲ませてくださいもうすこし・・・

 「討匪行」  どこまでつづくぬかるみぞ・・・

 「精鋭なる我海軍」 太平洋上精鋭あり・・・

 「奥飛騨慕情」 風の響きに一人きて・・・

 「空の勇士」  恩賜の煙草をいただいて・・・

 「空ゆかば」  空行かば峰雲のかなた轟きを・・・

 「靖国神社の歌」 日の本の光に映えて・・・

 「大東亜戦海軍の歌」 見よ橘頭に思い出の・・・

 「靴が鳴る」  お手々つないで野道を行けば・・・

 「夕かけ小やけ」 夕やけ小やけで日が暮れて・・・

 「雨ふる」   雨は降れ降れ母さんが・・・

 「雨降りお月」 雨降りお月さん雲の蔭・・・

 「花嫁人形」  金襴緞子の帯しめながら・・・

 「しょじょ寺」 しょしょしょじょ寺・・・

 「てるてる坊主」 てるてる坊主てる坊主・・・

 「昭和の子供」 昭和昭和昭和の子供よ僕たちは・・・

 「あの町この町」 あの町この町日が暮れる・・・

 「兵隊さんよありがとう」 肩をならべて兄さんと・・・

 「毬と殿さま」 てんてん手毬てん手毬・・・

 「夏は来ぬ」  卯の花のにほふ垣根に・・・

 「美しき天然」 空に囀る鳥の声・・・

 「母の歌」   ごらんよ坊やあの海を・・・

 「若葉の歌」  ひとの心もさわやかき・・・

 「蚕」     とく起き出でて桑つめば・・・

 「夜明けの歌」 霧は晴れるよ夜が明ける・・・

 「おもいで酒」 無理して飲じゃいけないと・・・

 「愛国の花」  ましろき富士のけだかさを・・・

 「めんこい小馬」 ぬれた小馬のたて髪を・・・

 「少女の歌」  しののめのわれは野ばらよ・・・

 「紀元節」   雲に聳える高千穂の・・・

 「天長節」   今日の吉き日は大君の・・・

 「サントワミ」 ふたりの恋は終わったのね・・・

 「明治節」   亜細亜の東日出づる処・・・

 「月下の陣」  宵の篝火影失せて・・・

 「氷滑」    うれし膚さむき北の風の・・・

 「赤いリンゴ」 赤いリンゴに唇よせて・・・

 「新妻鏡」   僕が心の夫なら・・・

 「別れ船」   名残りつきない果てしない・・・

 「幼稚舎の歌」 福沢の大先生のおひらきなさった慶應義塾・・・

 「普通部の歌」 まなこをあげてあふぐ青空・・・

 「青い背広で」 青い背広で心も軽く・・・

 「アイルランドの娘」 花かごかかえて誰をまねく・・・

 「おまえに」  そばにいてくれるだけでよい・・・

 「丘を越えて」 丘を越えて行かうよ・・・

 「尊長の娘」  私のらばさん尊長の娘・・・

 「雨に咲く花」 およばぬ事とあきらめました・・・

 「誰か故郷を想わざる」 花摘む野辺に日は落ちて・・・

 「野崎小唄」  野崎参りは屋形船でまゐる・・・

 「篠山節」   丹波篠山山家の猿が・・・

 「我が覇者」  雲を破りて世に照らさんと・・・

 「少女の歌」  しののめのわれは野ばらよ・・・

 「ステンカラジン」 久遠にとどろくウ”オルガの流れ・・・

 「白い花の咲くころ」 白い花が咲いていた・・・

 「君恋し」   宵闇せまれば悩みは涯なし・・・

 「シクラメン」 真綿色したシクラメンほど清(すが)しいものはない・・・

 「喝采」    いつものように幕があき・・・

 「愛のテ−マ」 ひろい世界のかたすみにやがてふたりのあさがくる・・・

 「冬の旅」   ある日何かでこれを読んだら恋人あなたはわかってくれるだろう・・

 「雪はふる」  ゆきはふるあなたはこない・・・

 「北の宿から」 あなた変わりはないですか日毎寒さがつのります・・・

 「テネシ−ワルツ」二人でおどったあのテネシ−ワルツ・・・

          I was waltzing with my darling to the Tennessee Waltz・・・

 「Too Young」  They try to tell us werre too young ・・・

 「Der Dopperga"nger」 Still ist die Nacht,・・・

 「La Channson de'Adieu」 Mon coeur vous de die・・・

 「襟裳岬」   北の街ではもう悲しみを暖炉で・・・

 「Wasser fluth」 Manche Thra"nd aus aus meinenen Augen ・・・

 「Die Forelle」 In einen Ba"chlein helle ・・・

 「Sta"ndchen」 Leise flehen meiner Lieder ・・・

 「Morgengruss」 Guten Morgen ・・・

 「Das Wandern」 Das Wandern ist des Mu"llers ・・・

 「Der Lindenbaum」 Am Brunnen vor dem Tore・・・

 「Heidenro"slein」 Sah ein Knab ein Ro"slein stehen・・・

 「津軽海峡冬景色」 上野発夜行列車降りたときから・・・

 「昔の名前で出ています」 京都にいるときゃ忍と呼ばれたの・・・

 「くちなしの花」 いまでは指わもまわるほど・・・

 

 今はこのなかのいくつしか覚えていない。温泉でドイツリ−ド(菩提樹)演歌(雪国)の全曲をくちずさむことが、頭の運動と時間の調節に役だっている。(20051201)

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