「コンクラ−べ」から考えること

 

 「コンクラ−ベ」と聞くと、「根比べ」を連想する。

 「コンクラ−ベ」「conclave」は「秘密会議、教皇選挙会議」でもとはラテン語で「鍵をかける・・」と解説があった。ロ−マカトリックの枢機卿の投票によって、教皇を決めるまで部屋に鍵をかけることからこの言葉が長年おこなわれてきたという。

 この4月2日84歳で亡くなった第264代ロ−マ法王ヨハネ・パウロ二世の葬儀が、8日バチカンのサンピエトロ広場で行われ、TVでその実況が放映された。

 カトリック教徒でない自分は、その中には入りきれなかったが、1966年ロ−マへ行ったときのことを思いだしながら2時間の実況放映をみた。

 「独立国バチカン」であの教会の屋根まで登ったことを思い出す

 博物館の美術品に性に関することの描写がなく、例えば陰部の描写がギリシャのそれと違うことに印象をもった。またそこにしかなかった郵便切手など買い求めたことを思い出しながら、儀式の様子、参会者のカットなどのTVを見ていた。

後日だったか他の宗教を足蹴にした像の放映があった記憶があるが、他の宗教との関係を謝罪し修復を求められた。またガリレイの地動説を数百年あと承認した報道もあった記憶もある。

 今回の情報によれば、法王の死因は「敗血性ショック」と聞き慣れない死因名であった。情報の公開の方針であることが伺われたが、インフルエンザのあと気管切開をしたらしく早い退院など、84歳の死亡は比べるべきもなうが、同い年の自分としては人ごとには思われなかった。

 「コンクラ−ベ」は世界各地からの枢機卿117名で行われるという。日本人も2人いるとか。カトリックの洗礼を受けた方ならどなたでも候補者になれるという。年令は80歳までの方だというが、満であるか未満であるか、以下であるかははっきりしない。無記名の投票であるようだが、「全員一致」まで何日もかかると昔聞いた記憶があるのだが、3分の1以上の票で選ばれるまで、「何日も」かかるという。TVをみていたら、その間食事も出るそうだがその量も次第に少なくなるとか。

 決定されるまでは投票用紙をもやすので煙突からでるのは黒い煙なのに、決定されたあとが白い煙になるとか。前回は白黒不明確だったので今回は鐘をならすとかいっていた。この18日から「コンクラ−ベ」が始まるそうだが、いろいろ下馬評が報道されている。

 何故こんなことが気になるかというと、教授になったあと、教授会で色々の選挙に携わり、1票の重さを実感したからである。その選挙の方法の取り決めとか、その判断について考えたことを思い出すからである。大学の評議会にでたあとの諸会議の議決とか、また学長選挙の委員長をやらされた時のことを思い出すからである。いろいろな学会の役員をして選挙制度など検討したことを思い出すからである。

 世界で何百万といわれるカトリック信者の代表者をきめる選挙であるからその意義は極めて大きいものと云わなければならないと思う。

 在位26年といわれるパウロ二世の言論・行動の影響は極めて大きいもののように見受けられた。それが個人的な信念であるのかカトリックの教義にのっとった「神」の声であるのか、わからない。

 宗教と政治との関係である。政教分離がいわれる世の中である。

 パウロ二世は政治的影響を最大限に広めた人として評価されているが、日本に訪れた時の発言にも、今度のイラク先攻の時にもその考え方が示されている。

 世界平和は誰も文句のいいようもない主張であると思われが、その他の「保守的」と云われる問題、アメリカの大統領選でも話題になったこととか、色々考えることが多いのである。(20050410)

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