第4幕/酒場「黄金の林檎」
 店の中では、カールスベルクの国王となったカール・フランツを囲み、沢山の学生たちが乾杯をしている。彼がハイデルベルクを訪れるという話を聞き付け、懐かしいメンバーたちが続々と店に集まって来たのだ。最近では気落ちしたケティーを気遣い、店内で騒ぎたてることを控えていた学生たちも、今日ばかりはと陽気に歌っている。ケティーも楽しげに会話に加わってはいるが、カール・フランツもケティーも、この夢のような時間がほんの束の間だということを知っていた。お互いの立場を思えばこそ、2人は別れを選ぶしかないのだ。それでも今はただ、この懐かしく輝かしい空間に、2人は浸っていたかった。(幕)
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