<第3幕>
湖のほとりの草原
ルサルカは深い悲しみに押しつぶされそうになりながら、「王子をまだ愛している気持ちがあるから死ねない」と嘆く。アリア<冷淡な水の力よ>(Necitelna vodni moci)。そこに魔法使いのイェジババが現われ、「このナイフで裏切った王子を刺し殺せ」とルサルカにナイフを渡す。しかしルサルカは、「王子は幸せになるべきだ」と強く拒否する。森番と皿洗いの少年が、王子の使いとして湖にやって来る。そこでイェジババと会い、「王子が魔法をかけられて重い病気だ」と伝える。ついで、怒りのおさまらない水の精の男ヴォドニックが現われ、「ルサルカが裏切られた、復讐だ!」と脅す。二人は驚き恐れて逃げ帰る。一方王子はルサルカのいない日々を過ごしていたが、彼女を思う気持ちは日に日に増していた。そしてルサルカを迎えに湖に来る。王子は、そこに一輪のバラが落ちているのを見つけ、ルサルカがここにいると感じ、「どこにいるんだ?お前がいないと死んだも同然だ」と歌う。アリア<わたしの白い牝鹿よ!>(Bila moje lani)。ルサルカは亡霊のような姿で現われ、王子に「あなたの苦悩は永遠に!」と訴え、悔しいながらに本当に愛していたと告白する。ルサルカと王子の二重唱<愛する人、私が分かる?>(Milack, znas mne, znas?)。ここで王子は初めてルサルカの声を聞く。ルサルカは、口づけをすれば王子は死ぬと言うが、王子は、「死ぬその瞬間まで…すべてお前に捧げたい…喜んで死のう…わたしの罪をあがなおう。」と安息を求め、口づけをせまる。ルサルカは「なぜ私を裏切ったの?裏切らなければ、こんなことにならなかったのに…」と嘆き、お互いの愛を再確認し、そして口づけをする…。王子は幸せを感じ、ルサルカに抱擁されながら湖の底へと沈んでゆく。(幕)
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