【あらすじ】
時と場所:17世紀ロシア
第?幕
第1場 ドニエプル河畔、コチュベイの庭
娘達が帆船の帆布を川で洗いながら、楽しげに「未来の夫を占う花輪を編みましょう」と歌っている。そこに美しい娘マリアが現れる。マリアは花輪作りの誘いを断り、一人川辺に残る。マリアが占いに興味がないのには理由があった。親以上に年の離れたウクライナのヘーチマン(元首)であるマゼッパと愛し合っているのだ。そこに幼馴染のアンドレイがやって来る。物思いに沈むマリアに、アンドレイは「子供の頃から君がすきだった」と歌い愛を告白する。しかし想いは届かず、アンドレイは絶望し去っていく。一方マゼッパは、マリアの父である裁判所長のコチュベイと母リュボフィに招かれている。盛大な歌とウクライナの踊りが披露され、大勢の来賓たちが歓談している。マゼッパはコチュベイを呼び、娘マリアとの結婚を強制する。驚くコチュベイは、マゼッパがマリアの名付け親であると抗議する。ロシア正教において、名付け親は血縁関係より緊密な間柄とされていのだ。しかしマゼッパは教会には免除を申し込むと言い捨て「若い心は一瞬に燃え尽きるが、私の愛は永遠である」と歌い、すでにマリアの承諾を得ていると告げる。人々はマゼッパを非難し、激怒するコチュベイが剣を抜く。その時マリアが争いを止めようと割って入り、マゼッパの胸に飛び込んで行く。一同は驚愕し、母リュボフィが泣き崩れる。
第2場 コチュベイの館
母リュボフィが、高齢のマゼッパに娘を嫁がせる悲しみを「暗雲が空を覆う」と歌う。そして独裁政治に不満を募らせるコサックの民を率いて、マゼッパに一矢報いるよう夫コチュベイに訴える。するとコチュベイは秘策を打ち明ける。マゼッパはロシアのピョトル大帝からの独立を企て、スウェーデン国王と同盟を結び、反乱(ポルタヴァの戦い)を起こそうと計画しており、それをロシアに密告しようというのである。同志のイスクラやアンドレイも賛同する。一同は剣を振りかざし決起の意を歌い上げる。

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