第2部
同日。セルピーナが軍服を着て変装をしたヴェスポーネに何やら話をしている。ヴェスポーネを強暴な男に仕立て上げ、ウベルトの前で一芝居うつという企てだった。早速外出しようとするウベルトを引き止め、兵士と結婚することになったからと涙ながらに別れを告げる。最初それは何よりと憎まれ口を叩くウベルトであったが、婚約者が大変強暴な男と聞き心が少し痛みだす。セルピーナも昔はとても可愛らしい女の子だったし、それなりの情も育ってはいる。今目の前でしおらしくしているこの子が、結婚して辛い目に遭いはしないかと。そんな不思議な感情の芽生える中、無言の兵士の通訳をするセルピーナの口から驚くべきことを耳にする。結婚に際し多額の持参金が必要で、出さねば身の保障はない。それが嫌ならばお前が結婚しろと...。驚き断るウベルトだったが、無口な兵士の迫力に押され、遂にはセルピーナとの結婚を神の前に誓う。ここでヴェスポーネが正体を明かす。騙されたと嘆くウベルトではあったが、これも神様の粋な計らいとすっかり観念する。そして互いに胸の中に鳴り響く愛を喜び合いながら二重唱を歌い、この喜劇は幕となる。
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