第1幕 サン・マルコ広場
短い前奏曲「貴婦人か天使のような声」の後半部が弦によって示される。
祭りの日、群衆による合唱「祭りだパンだ」で幕が開く。祭りを祝う人々は、ゴンドラ競漕見物に集まっている。歌手のジョコンダが盲目の母チェーカを連れて現れる。余命いくばくもない母親は娘への思いを「娘よ」で歌いだす。ジョコンダも母への思いを歌う。円柱に隠れていた司法長官の密偵バルナバはジョコンダを我ものにしようとたくらんでいる。バルナバがその下心を歌い、ジョコンダ、チェーカ、バルナバの三重唱になる。恋人エンツオを呼びに行こうとするジョコンダに言い寄るバルナバ。しかし相手にされない。怒ったバルナバは競漕に負けこんでいる水夫のズアーネに敗因は、魔女が呪いをかけたせいだとチェーカを指差す。群衆たちも扇動され、魔女を殺せと騒ぎ出す。恋人エンツオを連れてジョコンダが広場に戻って来るが、2人にも興奮する群衆を制することは出来ない。そこに司法長官アルヴィーゼと仮面を付けた長官夫人が現れる。ジョコンダは母を助けてくれるように長官夫人に懇願をする。夫人はロザリオを持つ信心深い老女が魔女のはずがないと窮地を救う。救われたチェーカは「貴婦人か天使の声」を歌い、感謝のしるしにとロザリオを夫人に渡す。ジョコンダが母親の恩人の名前を聞くと、長官夫人はラウラと名のる。それを聞いたエンツオは仮面の長官夫人が忘れられぬ昔の恋人ラウラであることを知り愕然とする。やがて群衆が去り、広場に残るエンツオとバルナバ。司法長官アルヴィーゼの密偵であるバルナバはエンツオが今は船長をしているが、実は長官アルヴィーゼに陥れられて追放された公爵であり、夫人のラウラがエンツオの恋人であったことも知っていた。ジョコンダを手に入れたいバルナバは今晩エンツオの船にラウラを連れていく約束をし、駆け落ちをそそのかす。その一方で代書屋のイゼポを呼び出し、夫人ラウラの不貞を夫の長官に密告させる。物陰から様子を窺っていたジョコンダと母チェーカ。ジョコンダは恋人エンツオの愛はラウラにあると知り嘆き怒る。慰める母チェーカとの二重唱が夕べの祈りと重なり合っていく。
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