時と所:(歴史的には)730年頃・フランク王国及びストラスブルク(現在はフランス領:ストラスブール) 第1幕
第1場/ジークフリート城前の教会の広場
 パルテン領の伯爵ジークフリートは、ローマ帝国皇帝カール・マルテルの命により、スペインから侵入してくる回教徒軍を討つ討伐軍の大将として、出陣することになった。教会ではミサが行われ、司教のヒドゥルフスが皇帝カール・マルテルを称える歌を歌い、兵士たちも戦場へ向かう意気込みを合唱する。そんな中、ジークフリートの家臣で友人でもあるゴローは、一人「彼らと一緒に出征できたら.. Moecht ziehn mit ihnen」と歌い、皆と共に戦場へいけないことを嘆いた。ゴローはジークフリートの留守中、城を守るようにと命じられていたのだ。ジークフリートは「お前に城の留守を頼んでおけば安心だ」とゴローに言うと、妻のゲノフェーファと別れのキスを交わし出陣していった。ゲノフェーファは夫の姿が見えなくなると悲しさの余り倒れてしまい、それを受け止めたゴローは、その美しい顔を眺めながらつい彼女にキスをしてしまう。ゴローはすぐに我に返ると、友人の妻に何てことをしてしまったのだと後悔するが、その一部始終をゴローの乳母マルガレータが見ていて、彼女は「ジークフリートが戦死すれば、ゲノフェーファはお前のものになるよ」とゴローに囁く。
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