第3幕
 夕暮れ時のガーター亭。ずぶ濡れになって、がたがたと震えているファルスタッフのところに、クィックリー夫人が訪ねて来る。かんかんに怒っていたファルスタッフも、アリーチェはあなたを愛しているという、彼女の殺し文句に引っかかって、真夜中のウィンザー公園の樫の木の下で逢引を約束する。一方これまでの顛末を聞いたフォードは、妻に改めて侘びを入れ、今夜の計画に自分も参加するといい出す。と同時にカイウスに、妖精に仮装したナンネッタと結婚させると約束する。だが女房たちは、この企みも見破ってしまう。
 真夜中のウィンザー公園。ナンネッタに夢中のフェントンが、情熱的な「熱い唇から流れる愛の言葉」をうたう。そこへ女房たちが来て、彼の衣装を変えてフォードの計画を潰す手配をする。真夜中の鐘が鳴ると、ファルスタッフが狩人の扮装であらわれ、忍んで来たアリーチェと逢引になる。するとメグが「助けて、悪魔の集会だ」と飛び出して来るので、アリーチェは逃げて、迷信深いファルスタッフは妖精をみると命がないと身を伏せる。妖精姿のナンネッタが、「夏のそよ風吹く上を」とうたい、妖精たちがファルスタッフを小突き回す。ところがバードルフが仮面を落とし、これが仕掛けられた悪戯だと知って怒り出すが、自分が皆にからかわれていると悟る。一方フォードは娘とカイウスを呼び出して、2人を結婚させることにしたと発表するが、ヴェールを脱がせると娘とは大違いで赤鼻のバードルフがあらわれる。全員に嘲笑されて、カイウスはその場から逃げ出す。同時にアリーチェがもう一組の結婚をといって、仮装を脱がせたカップルは、本物のナンネッタとフェントンであった。こうなるに及んではフォード氏もあきらめ、2人の仲を認めて結婚させると納得する。そしてフィナーレは、ファルスタッフの主導する、「世の中すべてが冗談だ」の壮麗なフーガで、この一大コメディは幕を閉じる。
(C) 出谷 啓
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