第1幕
ブルゴーニュ座
時は1640年、人気役者モンフルリーの登場に観客の期待が高まっている。そこに麗人ロクサーヌが、彼女に横恋慕するギーシュ伯爵と共に現れる。舞台ではいよいよモンフルリーが口上を始めるが、シラノが「お前は謹慎処分にしたはずだ!」と芝居を妨害する。シラノのあまりの剣幕にモンフルリーは退散。喝采を受けるシラノにギーシュ伯爵の手下ヴァルヴェール子爵が決闘を仕掛ける。
剣豪にして詩人のシラノは、一篇のバラードを詠みながら子爵を倒すという離れ業をやってのけ、群衆は熱狂する。騒ぎが鎮まると、シラノは親友ル・ブレに、従妹ロクサーヌヘの苦しい恋を打ち明ける。豪傑シラノも、自分の「大き過ぎる鼻」へのコンプレックスから、美しい従妹への想いを最初から諦めているのだ。そこヘロクサーヌの家政婦が近づき、ロクサーヌが折り入ってお話ししたい事があるので明朝ラグノーの店に来て欲しい、と伝言する。もしかしたら自分の恋が実るかも、と希望を持ち、天にも昇る想いに昂奮するシラノ。そこヘリニエールが「自分の書いた詩に怒ったギーシュ伯爵の放った刺客100人がネール門で待ち伏せしているので帰れない」と泣き付く。シラノは群集を引き連れて、勇ましくネール門へと向かう。

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