第3幕 城の大広間
大広間には六つの扉からこぼれ出した宝石が輝いている。戻ってきた妻達は髪をとき、ドレスを着替え、宝石で身を飾っている。妻の一人メリサンドが「青ひげはどこに行ったの?」と聞くので、アリアーヌは「青ひげは自分を見失い出て行ったけれど、最後の決着の時が来て私たちは開放されるでしょう」と話す。そこに乳母が来て、青ひげが戻ってき来た事を告げる。驚いた妻達が広間の窓からのぞくと、青ひげと番兵達が、農民達と戦っている。熱狂する農民達はついに青ひげを倒し縛り上げる。お堀の橋は降ろされ、扉は打ち砕かれ、広間に青ひげが運び込まれる。妻達は怖がり隠れてしまうが、アリアーヌだけは落ち着きを失わず、威厳に満ちた態度で農民達を迎え入れる。アリアーヌの様子に農民達も冷静さを取り戻す。年老いた農夫が進み出て挨拶をする。農民達は、青ひげの処刑を手伝うと申し出るが、アリアーヌは丁重に礼を言い、ここでも「大丈夫です」と農民達を引き取らせる。横たわる青ひげは満身創痍で全身から血を流している。アリアーヌが体の傷を確かめていると、妻達が近づいてきて、青ひげを取り囲み、縄をほどき、介抱し始めるのである。苦しみながら起き上った青ひげは妻達を見つめ、最後にアリアーヌに向き合う。するとアリアーヌは青ひげに手をさしのべて、「さようなら」と別れを告げる。扉に向かうアリアーヌを妻達が追って来て「いつ帰ってくるの?」と聞くので、アリアーヌは「扉は開かれました。野原は青く、月と星が道を照らし、森と海が誘い、曙の光は希望を照らしています。一緒に行きましょう」と話しかける。しかし妻達は誰ひとり青ひげのもとを去ろうとはしない。別れを惜しみ、お互いに固く抱き合うと、アリアーヌは乳母とともに城を出て行く。残された妻達が城の扉を閉め、幕となる。

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