ジョアキーノ・アントニオ・ロッシーニ
Rossini, Gioachino (Gioacchino, Giovachino) Antonio
伊 1792 - 1868
作曲家。父はトランペット奏者、母はパン屋の娘で歌手であった。
1800年に引っ越したローマで初めて音楽のレッスンを受ける。一家は1806年にはボローニャに移り、ボローニャ音楽学校でチェロとピアノを学ぶ。対位法をスタニズラーオ・マッテーイに師事。
1809年頃、最初のオペラ「デメトリオとポリビオ」を作曲。
1810年ヴェネツィアのサン・モイゼ劇場のためにオペラ「結婚手形」を作曲、大成功を収める。
2年後「試金石」でミラノ・スカラ座にデビュー、翌年にはヴェネツィアやミラノの歌劇場のために書いたオペラ、「タンクレーディ」、「アルジェのイタリア女」によってその名声を確立。
1816年、ローマのアルジェンティーナ劇場からオペラを委嘱され、題材の選択も任され、「セビーリャの理髪師 Le barbier de Seville」を書き上げる。初演は妨害に遭い不評だったが、2度目以降の上演は大成功となる。ウィーンでも人気となり、ベートーヴェンを訪問、ベートーヴェンは「セビーリャの理髪師」を讃えたという。
1824年、パリでイタリア座の監督となる。
1825年、国王シャルル10世の戴冠のために舞台用カンタータ「ランスへの旅」を作曲。
オペラ「オリ伯爵」(1828) と 「ギヨーム・テル(ウィリアム・テル)」(1829) で創作活動は実質的に終わり、その後は1830年に委託され1842年に完成したスターバト・マーテル、1864年の「小荘厳ミサ曲」などの他はわずかな小品を除き作曲活動はほとんど行わなかった。
1831年以降、重い神経症を患い、1836年にはフランス政府から終身年金を受け、イタリアへ戻り、1839年にボローニャ音楽学校の名誉顧問、1845年からは校長に就任、1848年までその職にあった。
1855年より、パリ近郊のパシーにある別荘で余生を過ごす。この別荘は社交サロンとして多くの人々が集った。
美食家としても知られ、「トゥルヌド・ロッシーニ(フォアグラをのせた牛ステーキ)」は今でも高級料理のメニューとなっている。
遺言により、1882年ペザロに音楽院が創立され、1940年以降はロッシーニの名前を冠している。ペザロにはロッシーニ財団も設立された。
速筆で、ほぼ20年の間に39のオペラを作曲。魅力的旋律と優れた管弦楽法により、カストラート以後の新しいオペラの時代に見事に対応し、イタリア・オペラの代表者のひとりとなった。
代表作:
◆声楽
音楽の夜会 Les soirees musicales(1835)
イタリアのアルバム Album italiano
フランスのアルバム Album francais
小荘厳ミサ曲 Petite messe solennelle
スターバト・マーテル(1830-42)
◆オペラ・ブッファ
結婚手形 La cambiale di matrimonio
ひどい誤解 L'equivoco stravagante
幸福な錯覚 L'inganno felice
絹のはしご La scala di seta
試金石 La pietra del paragone
成り行き泥棒 L'occasione fa il ladro
ブルスキーノ氏、または冒険する息子 Il signor Bruschino, ossia Il figlio per azzardo
アルジェのイタリア女 L'italiana in Algeri
イタリアのトルコ人 Il turco in Italia
セビーリャの理髪師 Il barbiere di Siviglia
新聞 La gazzetta
シンデレラ、または真実の勝利 La Cenerentola, ossia La bonta in trionfo
泥棒かささぎ La gazza ladra
マティルデ・ディ・シャブラン Matilde di Shabran
ランスへの旅、または金のゆりの宿 Il viaggio a Reims, ossia L'albergo del giglio d'oro
アディーナ Adina
◆オペラ・セリア
デメトリオとポリビオ Demetrio e Polibio
バビロニアのキュロス、またはバルダザールの凋落 Ciro in Babilonia ossia La caduta di Baldassare
タンクレーディ Tancredi
パルミーラのアウレリアーノ Aureliano in Palmira
シジスモンド Sigismondo
イギリスの女王、エリザベス Elisabetta, regina d'Inghilterra
トルヴァルドとドルリスカ Torvaldo e Dorliska
オテッロ、またはヴェネツィアのムーア人 Otello, ossia Il moro di Venezia
アルミーダ Armida
ブルゴーニュのアデライデ Adelaide di Borgogna
エジプトのモーゼ Mose in Egitto
リッチャルドとゾライデ Ricciardo e Zoraide
エルミオーネ Ermione
エドアルドとクリスティーナ Edoardo e Cristina
湖上の美人 La donna del lago
ビアンカとファッリエーロ、または3人の忠告 Bianca e Falliero ossia Il consiglio dei tre
マホメット2世 Maometto II
ゼルミーラ Zelmira
セミラミデ Semiramide
◆フランス・オペラ
コリントの包囲 Le siege de Corinthe(マホメット2世の改作)
モーゼとファラオ、または紅海への道 Moise et Pharaon ou Le passage de la Mer Rouge(エジプトのモーゼの改作)
オリ伯爵 Le comte Ory
ギヨーム・テル Guillaume Tell (ウィリアム・テル)
作品:オペラ名曲辞典
作品:管弦楽曲DB
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