福田祥子
日本橋オペラ研究会(中央区社会教育団体)会長
一般社団法人日本橋オペラ研究会理事長
《ご挨拶》
日本橋オペラ研究会は2013年に発足して、今年で丁度10年となりました。これを機に、各界の有識者の皆様に顧問に就任いただき、5月に一般社団法人日本橋オペラ研究会を設立しました。これまでの中央区社会教育団体としての活動に加えて、非営利型の一般社団法人として、より社会的な活動を目指していく所存です。
 思えば2015年に地元の日本橋劇場で、日本橋オペラ第1回公演となる楽劇「トリスタンとイゾルデ」を上演しましたが、その際に編曲され、インターネットで公開していた楽譜は、コロナ禍中、大オーケストラでの上演ができなかったドイツ・ハノーファー国立歌劇場でも演奏され、絶賛され、ワーグナーの母国の音楽文化に貢献できました。また当会で2021年に日本初演した、長崎が舞台のフランスオペラ「お菊さん」は、歌劇「蝶々夫人」の原点を発掘したとして、学術的にも高く評価され、日本のオペラ年鑑でも紹介されました。私たちはこれからも、地元日本橋の伝統の上に、価値の高い作品の発掘・研究・上演、さらには次世代のオペラの人材育成をもって、世界の音楽文化の発展に寄与したいと願っています。
 次回の公演は11月15日(水)当会で研究・編集した楽譜を使用して、ヴェルディの歌劇「グスタヴォ三世」を、タイトルロール/村上敏明、アメーリア/福田祥子、アンカーストレム/寺田攻治、ウルリカ/森山京子他のキャストで日本初演する予定です。この作品は、皆様ご存知の歌劇「仮面舞踏会」の原典版で、当初ナポリでの上演のために作曲されましたが、当局の検閲で許可されず、歴史に埋もれた作品です。
 昨今のAIの進化で、人間の芸術活動そのものの価値が問われている時代だからこそ、極限まで非効率な、しかし人間にしかできない、オペラ活動がその真価を発揮していけると考えます。みなさまの暖かいご支援に感謝いたします。。

福田祥子 (Shoko Fukuda) ドラマティックソプラノ
大阪音楽大学ピアノ科卒業。大阪芸術大学大学院声楽専攻修了。第6回大阪国際音楽コンクール第2位。東京二期会オペラ研修所本科首席修了、優秀賞受賞。これまで、ワルキューレ、ジークフリート、神々の黄昏、トリスタンとイゾルデ、さまよえるオランダ人、タンホイザー、蝶々夫人、椿姫、ドン・カルロ、トゥーランドット、トスカ、イリス、オテッロ、イル・トロヴァトーレ、仮面舞踏会、エフゲニー・オネーギン、パリアッチ、お菊さん等にそれぞれ主役級の配役で出演。『圧倒的にして鮮烈な歌声と存在感。生まれながらのブリュンヒルデ』(音楽現代)と批評を受ける。日本人としては稀有の本格的ワーグナーソプラノでありながら、ヴェルディ、プッチーニといったイタリアオペラまで、広範囲のレパートリーを有する貴重な存在である。ウィーンとバイエルンの両国立歌劇場で研修を受け、近年はスタラ・ザゴラ国立歌劇場(ブルガリア)、コシチェ国立歌劇場(スロバキア)などで、蝶々夫人、トスカの主役として度々出演、絶賛されている。また日本各地をはじめ、オーストリア、ドイツ、ブルガリア、チェコ、トルコ、イスラエル、フィリピンなどで、リサイタルやオーケストラと共演をしている。東京二期会、関西二期会各会員。

佐々木 修 (Osamu Sasaki)/日本橋オペラ常任指揮者
青森県弘前市出身。武蔵野音楽大学卒業。オーストリア政府奨学生。モーツァルテウム音楽大学指揮科最優秀卒業。カラヤン、チェリビダッケなどの巨匠に師事。モーツァルテウム音楽大学オーケストラ常任指揮者をつとめる。1979年カラヤン国際指揮者コンクール入賞。1982年東洋人として初めてザルツブルク国際モーツァルト週間で指揮「心から自然でしなやか、新鮮なモーツァルト指揮者」(オペラ・コンツェルト誌)と好評を受け、国際モーツァルテウム財団よりパウムガルトナーメダルを授与される。1984年ベルリン・ドイツ響を指揮してドイツデビュー。帰国後、日本各地のオーケストラや合唱を指揮。またNHK-FMシンフォニーコンサート等のパーソナリティ、タモリの音楽は世界だ!等の音楽番組制作、映像・CD・WEB制作、AI特許、女性のためのモバイルコンテンツ「ルナルナ」の創設、開発に携わるなど、マルチなタレントで活躍。 (株)マエストロ代表取締役。一般社団法人日本橋オペラ研究会理事。