オタク老人のひとりごと(12)トリノ雑感

 

 2月27日朝食後、トリノ・冬期オリンピック閉会式2時間の録画を見ての雑感である。

 歌劇で始まり、歌劇で終わった。

 プッチイニ(Puccini)のトウ−ランドット(Turandot)の歌ではじまったのは、さすが歌劇の国を思わせたが、それがなんと荒川静香さんの金メタルの時の曲であろうとは。

 「運命を感じました」とは彼女の言葉だが、前の世界選手権大会で優勝したときの選曲であったとのことだ。

 彼女が「中国のトウ−ランドッド姫は氷のように冷たい美人」であったとのことであるが、この選曲の背景は何んであったのか知りたいものである。

 その日の練習の時、彼女がのびのび滑っているのをみて、もしかして金をとるのではないかと思っていたのが当たってうれしかった。

 フリ−を滑り終わった時の「笑顔」は最高であった。

 あとにまだ優勝確実といわれていたロシアのスルツカヤがいてもである。自分のやるべきことを十分できた満足感ではなかったか。 

 それにしても他の競技で、「金メタル確実!」とか持ち上げていたメデイヤはどう弁解するのであろうかと思う。

 「チ−ム青森」とあったカ−リング女子チ−ムは健闘したと思う。

 なかなか頭脳的ゲ−ムであるように思われた。本家のカナダチ−ムを破ったことは「御礼ができた」ゲ−ムであったのであろう。カ−リングの町、それにしても近く北見市になる運命のトコロ(常呂)町の名前を記憶にとどめさした。

 最終日アルペンのスラロ−ムで日本選手の滑り方をみていて、良いすべりをしていると思った。

 冬の東医体のスキ−についていった昔のことを思い出しながらみていた。

 50年前猪谷さんが銀をとったときと「天候が似ている」とのことであったが、次ぎ次ぎとコ−スアウトする選手の滑りをみて、皆川賢太郎選手の1回目のタイムがよかったので、うまくいけばと思ったものの0.03秒の差で4位とは、残念であった。

 金一つではあったが、4位が多かったのも今回の特長であろう。入賞という評価があるとは知らなかった。

 国旗も国歌もなく、今度はそのような運営なのかと思っていたが、スケ−ト優勝のとき、やはりあった。

 室内では旗は相変わらず「はためかなかった」が。

 五輪のマ−クが白になったり色がついたり変化していたが、大陸とか人種とかの区別は次第になくなってゆくのではないか。国とは何だと考える時代になっていると思いながら、国と国との戦いになると、応援する方はそうはいかぬのが現実である。

 「鳥インフルエンザ」では渡り鳥が問題になり、国境はない。アメリカ国籍をとってアメリカ代表ペ−ヤの一人になって、スケ−トを滑っている方がいた。

 

 閉会式もイタリヤの歌劇であった。

 「passion lives here」(情熱ここにあり)がテ−マで、「炎」は開会式の時も閉会式にもテ−マであった。

 パリからの深夜放送で「閉会式」は「カ−ニバル(謝肉祭)」になるのではないか想像していますといっていたのが当たっていた。カ−ニバルといえばブラジルの踊りを連想するが、ヨ−ロッパではこの時期カ−ニバルは常識なのであろう。

 大道芸人の妙技をみながら、「仮装舞踏会」そのものに劇は進んでいった。

 空中遊泳など、2,3どういう仕掛けでやったのかと思わせるものもあったが、平和のはとに赤いバラを抱えた芸人、劇のテ−マの「passion」「炎」は将来どこにゆくのであろうかと思った。

 きまりきまりには伝統に従って式は行われたが、スピ−チは最小限であったとみた。今後どうなって行くのかと思った。

 トリノはイタリアの一小都市でありながら良くやったと思う。伝統の中にそれなりに。

(20060227)

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