たばことがん 若い人は注意を

 

 こう頭がん・肺がんをはじめ、あらゆるがんのリスクファクタ−(危険因子)として、たばこ喫煙が関係していることは、いまや医学の常識となった。そんな知識をもっている者からみると、最近の有名人の死亡は残念でならない。

 石原裕次郎さんの追憶のフイルムが放映される場面をみて、たばこをのんでいるシ−ンがとても多いのに驚いている。当時は格好よくみえたに違いないが今は違う。こんなことが日常続いていたら、若く、早く、がんが訪れても、不思議でない。

 石原さんが育った時代、たばこでがんになろうとはほとんどの人は知らなかった.。20年前は一般の人はもちろん、その道の専門家すら知らなかったのだ。

 病気になって、病気を治し立ち直るために、好きなたばこを断っていたという石原さん、そして棺(ひつぎ)の中に好きだったたばこを入れてあげたというを話を聞くと、涙が出る。

 これから将来のある若い人が、健康についての正しい知識をもち、健康な生活をするよう望みたい。

(毎日新聞,みんなの広場,昭62.7.27.)

もとへもどる