秋田ゴルフ行

 

 ”秋田ゆき ちょっと 遠足の気分なり”

 さすがゴルフマン、朝7時24分弘前発急行しらゆきにおくれる人なく、一同グリ−ン車へ。

 ”今日買う週刊誌 皆ゴルフばかり”

 やれ尾崎がどうの、安田がどうのと話がはずむ。グリップはこうだといっているうちに、”右脚は こう入れるものだと たちあがり”。誰が立ち上がったかって、それは櫛引先生。

 ”新ゴルフ場 ほら あのあたり”

 8月末仮オ−プンした大鰐のゴルフ場を窓越しにさす人。話がはずむうち、昨夜のつかれか、これからの戦いにそなえてか、シ−トをたおし、アイマスクをかけ(坂本先生)ひとねむりする人が多くなる。

 ”夢ははや グリ−ンを かけめぐり”

 定刻秋田駅到着。相乗りタクシ−で、雨上がりの山道を秋田カントリ−クラブへ。

 まず”太平山”とスタ−トし。

 ”太平山 鳥海山と 山あるき”

 ”日本海 公害 住宅の中のゴルフ場”

 秋田カントリ−クラブには、太平山・鳥海山・日本海の3コ−スがある。遠くに日本海を眺めるコ−スは良いが、一方工場の煙突を眺め、アパ−トの住宅群を眺めるコ−スはなんとなくわびしい。それもファ−ウエイの狭い、林間コ−スときては、飛ばし屋(西谷先生他)はたちまち、スコア−が悪くなる。

 ”このコ−ス やっぱり いわれた通りだと 後悔し”

 時すでにおそし。その逆に、おしとやかに、「ゆるやかなフォ−ムで固くならず、真っ直ぐに 飛ばしていった事が良かったのです」準優勝の方。

 ”あのボイン じゃまにならぬかと 気にかかり”

 ”スライスは あのせいだと 理論たて”

 誰が気になり、誰が理論をたてたかは、ご想像になかせるとし、今日のコンペに女性は唯一人となれば、9月号の記事をごらん下さい。

 午後になってようやくスコア−をもち直して、キャデイから、「先生は真面目だから」とほめられる。

 ”ではおれは 真面目でないかと 文句つけ”

 そろそろ18ホ−ルに近ずけば、「かわばたで おのみになるのでしょう」キャデイいい。”勝ち杯は 秋田のかわばたか 弘前か”

 優勝は47,51ネット72の岩淵先生にきまる。ゴルフセット一式など弘前への直行車にたのむ人の多い中を、”これだけは 持って 帰りますと 優勝杯”。

 秋田の駅の食堂で前祝い、弘前では某クラブへか。帰りの急行にのった一行の目につくものは、”優勝杯 グリ−ンの前に さんぜんと”

(ひろさき医師会報,74,13,昭48.12.20.)

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