けっさく

 

 近頃の読み物の中での傑作は、ひろさき医師会報の”女医訪問シリ−ズ”である。

 こんなに筆の立つ人がわが弘前市医師会員の中におられるとは心強いかぎりである。この文章を書いている段階では、筆者が誰かを知らないので、心おきなく筆がすすむのだが。

 訪問相手のご本人を全然知らない方が読んでも面白い文章だと思うが、その方を知っている者にとってはこよなく面白い読み物である。

 アハッハと笑いがとまらなくなり、それでいてなるほどと感心したりする。ぐっと本質にせまり、きわどいところまでさわりかけ、すばやく身をひくところなど、やっぱり筆者は医師であろう。ひどいことを書いているようでそれでいて多分ご本人はにくんではいないだろう。さすがは医師である。それも多分男性の医師であることは想像できる。なにしろ”女医”さんから訪問しはじめたから。女性をこよなく愛する方の一人であろう。

ひろさき医師会報,70,15,昭48.1.10.)

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