日本列島慢性食塩中毒論

 

 田中角栄著「日本列島改造論」をよみ、改造のための懇談会委員の顔ぶれをみて、日本人の健康問題はどこで論じられるのかと思うのである。専門家の意見をきいて、どしどし実行してもらいたいものだ。

 ここにその一例を示すのは「日本列島慢性食塩中毒論」で、当時の池田首相から辞令をもらって報告し、科学技術庁から昭和40年にすでに勧告されていることである。

 日本では、60歳前の人が毎年2万5千人も脳卒中で死亡,その原因に食塩過剰摂取による高血圧があり、学問的にも認められている。

 食塩過剰摂取は胃癌の原因だとする意見もあり、今ただちに考え直さなければならない。

 具体的に何をするか。私はこう思うのである。

 1.食品添加物としての食塩を総点検せよ。(厚生省)

 2.栄養所要量、基準値に示されている食塩の数値を除くべきである。(厚生省)(本当に必要な量は一日一人当たり5グラム以下と考えられるのに、15グラムとか14グラムと書いてあると、それだけ必要なのかと思わせる)

 3.教科書に食塩摂取について書いてあるところを再検討せよ(文部省)(現在の医学からみて間違っていると思われるものがある)

(毎新聞:読者の広場,昭和 47.8.14.)

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