予算の獲得

 

 一国の総理大臣が癌で亡くなったから、癌の予算が大幅にふえたという話がある。

 今度の総理は循環器系の病気で入院したから、こちらの予算がふえるのではないかといったことが、まことしやかに伝えられている。まことにうがった話だが、噂だけなのであろうか。何となくそんな気がするところから、こんな話が学会の発言中に出たりする。

 これが本当なら、本当でもよいと思う。それは1967年の日本の姿ということになろう。われわれの知りたいのは、何故予算がふえたかのいきさつ、今の日本に通用する手である。それを行政の中にとり入れたらよいと思う。

 これからの日本人は死亡の大半をしめる癌や脳卒中、心臓病対策に、予算が大幅にふえることは良いことに違いないのだから。

(日本医事新報,2281,64,昭43.1.13.) 

もとへもどる