夏もスパイク冬もスパイク

 

 ゴルフをやるのにスパイクシュ−ズを履くようになってから30年以上になるが、白球を追って静かなコ−スをきれいな空気をすって厚い絨毯のような芝生をふみ歩き回れるとは、きわめて健康なまた贅沢なことだと思うことがある。

 たまには良いスコア−が出て、おまけに「クラチャン」にでもなって大きなカップをもらうことがあると、いつまでもつづけられたらと思う。

 記録のために書いておくと、昨平成6年7月14日・津軽CCのグランドシニア・シニア・レデイスのクラブコンペで、46・44・グロス90で上がってきたら、ハンデイ29なので11アンダ−になってしまい優勝だったというわけであった。

 「太りすぎるな タバコを吸うな 歩け 歩け ただ歩け」は、アイゼンハウア−の主治医だったホワイト先生が日本心臓財団が発足したときの記念講演で言われたことだが、私の「解説・現代健康句」にも紹介させて戴いた。

 衛生学をやってきた身にとっては自ら実践が大切だと、タバコはアメリカに在外研究にいった30年前止めることができたし、日頃「少塩」と「一日一個のリンゴ」を心がけている。

 冬の運動としてのスキ−も土地柄めぐまれた環境にあるのでよいのだが、それを楽しむためには毎日の「歩き」を冬も欠かせない。だが一番の危険はアイスバ−ンでスッテンコロリと転ぶことだ。骨折しては皆の迷惑になり、人生の終わりも近くなりすぎる。

 今年の冬ゴルフシュ−ズを履いて歩いてみたら、冬道には最高に安全であることを実感した。雪景色の岩木山を眺め、すみきった空気を吸いながらの朝の散歩は快適である。

 夏もスパイク・冬もスパイクである。

            (日本医事新報,3718,24,平成7.7.29.)

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