2002-02

》マリリン・ホーンの公開レッスン《
もう一つのイベントですが・・・1960年代から80年代、そして今なおメゾソプラノの女王として君臨するマリリン・ホーンの公開レッスンを先日受講しました。同じ空気を共有しているというだけでも“ド緊張”の私が、ましてやその指導を受ける、というのですからそれはもう肝がつぶれるほどの思いでした。今回はマーラーの「美しさ故に愛するのなら、Liebst du um sho:nheit」(第1回のリサイタルでも歌った曲です)を歌いました。
まず冒頭で“この曲はどのような場面で誰に対して歌っていると思いますか?”と聞かれました。私の中では日本語でその様子がイメージされているのですが、それを千人の聴衆の前で英語で、わかりやすく、というのは至難の技でした。しかしホーン先生の助け船もあって、場内笑いの内に第1関門通過。そして歌。「ほとんど言うことがない」という先生からのありがたい感想、そして場内からの拍手。実際に指摘いただいたのは4箇所で、それも本当に細かい、顕微鏡でみるようなところなのですが、しかし、ホーン先生がそれを歌ってみせてくれると「ハッハーン、これがプロと学生の歌の大さな違いか。。。」と感じる”ツボ ”の部分でした。それはほんのちょっとの時間的な差だったりするのですが、それがあるのとないのとでは表現の幅がぐっと広がります。そういったことを学ぶ貴重な機会となりました。…これが次に皆様の前で実現できるか、乞うご期待!というところ…(マリリーン・ホーンはこちら)

》最近のこと《
お蔭様をもちまして、昨年のリサイタルのCDの売れ行きがとてもよく、本当に嬉しく存じます。アメリカでも沢山の方に紹介させていただいておりました。素敵なジャケット写真を撮ってくださった白石晃子さん、そして制作・販売にご尽力いただいております後援会の皆様に心より御礼申し上げます。現在、次に予定されている日本での公演は10月22目・24日、サントリーホールでの新作オペラ「TEA(お茶)」です。これはサントリーホールがタン・ドゥン(アカデミー音楽賞受賞者)に委嘱したものだそうです。練習は9月にオランダのアムステルダムで行われ、東京公演に備えます。体調を整えることに専念しながらも、少しずつレパートリーを増やし、コンサート活動も再開して参ります。これからも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
2002年2月
ニューヨークにて

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