今月のご挨拶
8月になりました。
クラシックの話題がニュースになることはあまりないのですが、先月末に2つのニュースがありました。一つは、小澤征爾さんが久しぶりに指揮をしたというニュース。そしてもう一つが早稲田交響楽団(通称ワセオケ)のちょっといやなニュースでした。ワセオケはアマオケの中でももっとも注目される、つまり本当に実力のあるオーケストラですが、そのオケ出身でN響のコントラバス奏者でもあった83歳の人間が、永久名誉顧問という称号をいいことに、パワハラや不透明な金銭のやり取りを巡りトラブルが起きていたことが報じられました。
最近スポーツの世界でも、女子レスリング、アメフト、ボクシングと、立て続けに権力者の不祥事が話題になっていますが、ワセオケも構造的には似ています。私はこれを聞いて、驚くというよりは、ああやっぱり!という思いです。スポーツの世界は音楽の世界よりは、記録や数字が出るので、目に見える不正はやりにくものですが、音楽はそもそも好悪による比較が全てですから、たとえミスタッチしようが、音がひっくり返っても、好きなものは好きと解釈できます。その結果、その組織の権力者が、これがいい!といえば、皆がそう思わざるを得ない状況がすぐさま生まれます。私も某団体のトップの口から「俺が白と言ったら、黒く見えても白といわない奴は使わない!」ということを耳にしたことがあります。
最近、企業を回って、日本橋オペラ後援会への入会をお願いする機会があります。その中で、東京証券取引所が企業に求めているコーポレートガバナンス・コード、あるいは経団連が加盟企業に求めている企業行動憲章をよく目にします。スポーツや芸術の団体、特に公益法人は公益三法という法律がありますが、実際はうまく運用されていないようです。上に立つ者の倫理感は、いつの時代でも重要です。もっともオバマ米国前大統領のように、倫理感はあったのですが、実際の政治ではうまくいかなかった例もあります。
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