今月のご挨拶
小澤征爾さんのオペラがキャンセルになったそうです。もっともオペラの公演はあるけど、小澤征爾さんだけ降板ということです。初めて小澤征爾さんの指揮を見たのは、私がまだ青森の高校生の時でした。当時上京して胸をときめかして東京上野文化会館のロビーに入った時。小澤征爾指揮日本フィルハーモニー交響楽団マーラー「復活」のポスターを見ました。もちろんマーラーなんて聞いたこともない時代でしたが、何か特別のコンサートだという感じがしました。しかしポスターには大きく「売り切れ」の紙が貼られており、今更チケット手に入れることは無理だと諦めかけましたが、どういうわけか目の前にあった公衆電話から、日本フィルの事務所に電話をしたのです。そこで「音楽を志す、田舎の高校生ですが、ぜひ小澤征爾のコンサートに行きたい・・・」と話したところ、意外にも、「いいですよ、一枚あるので、現金書留でお金を送ってください!」というラッキーで、チケットを手に入れることができました。そして数ヶ月後、再び上京して、初めて文化会館の大ホールに入りました。その席は、なんと10列目のど真ん中!。そのコンサートこそ、日本フィル分裂前の最後の定期演奏会で、歴史に語り継がれる名演と言われています。スポーツでもそういう試合がありますが、音楽でも特別の特別な演奏はあるもので、そこに同席した運命が、その人の人生を変えるのです。それ以来私は、若い人には、学生席ではなく、最高の席で、最高の演奏を聞くべき・・・とお勧めしています。そういえば、その後カラヤンのオペラ練習に同席した際は、カラヤンのすぐ後ろの席で、オーケストラはベルリンフィルかウィーンフィルでした!
なんか追悼文みたいになったので失礼しました。上記のコンサートは、1972年6月16日東京文化会館、日本フィル第243回定演でした。
日本橋オペラ「イリス」

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