今月のご挨拶
2月になりました。昨年後半から、女性のセクハラ・パワハラ被害を告発する「MeToo」という運動が活発になったことはみなさんご存知の通りです。音楽の世界でも、指揮者のジェームス・レバインやシャルル・デュトワがセクハラをしたと告発され、仕事を干されています。レバインは40年近く前、私が指揮をしたモーツァルテウムの夏期講習の終了コンサートにひょっこり現れ、一番前の座席で聴いてくれました。終わった後、握手をした手が、大きなグローブのようで驚いた思い出があります。
話はセクハラ・パワハラに戻りますが、音楽の世界でも映画に負けず劣らず、この種の話は聞きます。
私が聞いた一番ひどい話は、教授が審査員であるコンクールを受けようとしている女子学生を、自宅レッスンに呼びつけ、性的関係を迫ったというものです。それだけならよくあることでしょうが、これからが本当の地獄で、こともあろうか、後日教授の妻からその女学生に対して、自分の夫の教授との不倫関係を根拠に、多額の損害賠償請求が妻の弁護士から送られてきたということです。女学生は弁護士事務所に駆け込んだそうですが、そこで言われたのは。「誰でも訴える権利はある。裁判になったら、あなたのプロフィールやキャリアに傷がつくから、示談した方がいい」という非情な言葉だったそうです。ちょっとしたドラマよりも凄まじいストーリー展開です。
5月27日に、日本橋オペラでマスカーニの「イリス」を指揮します。

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