角界に旧ソ連圏旋風?グルジア出身の黒海が10連勝
大相撲九州場所は、旧ソ連グルジア出身で、西十両2枚目の黒海(22)(追手風部屋)が、初日から10連勝の快進撃を見せ、来年初場所での新入幕を確実にした。武蔵丸引退でハワイ勢が去り、時代は横綱朝青龍を筆頭とするモンゴル勢が勢いづく。しかし、来年の角界は、欧州・旧ソ連圏からの新たな勢力が旋風を巻き起こしそうな気配だ。(臼田 雄一)
今場所現在、欧州・旧ソ連圏の力士は、前相撲の風斧山を含め8人。幕内4人を擁するモンゴルの35人と比べれば少数派だが、外国出身力士の勢力図を塗り替えようとする。
今年夏場所で新十両に上がった黒海は、積極的に前に出る相撲が持ち味。今場所は、無傷で勝ち越しを決めた。十両のストレート給金は2000年秋場所の琴光喜以来。元はレスリング130キロ級の選手で、99年の欧州ジュニア王者だ。
師匠の追手風親方(元幕内大翔山)は、入門当初から「不利な体勢でも、勝ちに持っていく能力があった」と、格闘技経験のある体をさらに鍛え上げた。
研究熱心でもある。例えば9日目の対朝乃若戦。幕内経験も豊富な小兵力士に、先場所は引き落としで敗れた。今場所は「低く構えながら、相手の動きをよく見て前に出ようと、自分で考えた」という通り、落ち着いて押し出した。
黒海を追走するのは、露鵬(23)、白露山(21)のロシアコンビ。白露山の師匠、元大関北天佑の二十山親方は、「言葉も通じない慣れない国に来て、強くなることしか考えていない。日本の若いのとは気持ちが違う」と、アマ相撲の欧州大会で準優勝した逸材に期待する。
身長2メートル02と角界一の長身力士、琴欧州(20)の師匠、元横綱琴桜の佐渡ヶ嶽親方は「黒海や琴欧州が頑張れば頑張るほど、母国の相撲熱が高まると聞いている。土俵もたくさん出来て、子供たちが相撲を取るんだよ」と、スモウが国際的に広がることも期待している。
黒海 太(こっかい・ふとし) 本名トゥサグリア・メラフ・レヴァン。1981年3月10日生まれ、22歳。グルジア出身。追手風部屋。2001年夏場所初土俵。2003年夏場所十両昇進。1メートル89、157キロ。しこ名は、母国の「黒海」にちなんで付けられた。