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※こちらの記事は、財団法人入管協会の情報誌「国際人流」第196号2003Septemberに掲載された[特集●日本で見る世界の食卓〜食を通じて文化を知る]に掲載された記事を(財)入管協会とゴツイリゼ・児島メデアさんの好意により一部編集して掲載しています。
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新鮮な食べ物で健康になろう!コーカサスの「長寿の国」グルジア
ゴツィリゼ・児島メデアさん 大相撲の力士「黒海」の国〜ヨーグルトで知名度の高いグルジア |
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ゴツィリゼ・児島メデアさんのふるさとは、黒海とカスピ海にはさまれたコーカサス地方の国・グルジア。メデアさんは、首都トビりシのアジアアフリカ大学で日本語を専攻して97年に卒業、同大学で日本語を教えていた。2000年には、国際交流基金。日本語国際センターの実施する海外日本語教師研修を受けて、9か月浦和市埼玉県(当時)に滞在した。2002年12月、再び来日してからは東京に住み、主婦業の傍ら、ロシア語やグルジア語の個人教授をしている。グルジア在住の日本人は、わずか5人(2003年12月現在1〜2名)。メデアさんの学んだアジアアフりカ大学日本語学科は、グルジア初(最近はトビリシ国立大学でも日本語を教えるようになった)。また、漠然と日本に好意を持っている人は多いものの、直接日本人に会う機会がほとんどないこともあって、具体的な情報はあまりないという。一方日本でも、大相撲の力士「黒海」や、関西フィル首席チエりストのギア・ケオシヴィリさんのように活躍する方たちもいるものの、今日本に住むグルジア人は、わずか40人余り。しかし、グルジアはコーカサスの「長寿の国」として昔から日本でも有名。特に最近は、話題の「カスピ海ヨーグルト」の生まれ故郷として、名前を目にすることも多くなった。「これを機会に日本の人にもっとグルジアのことを知ってもらいたい」というメデアさんに、健康長寿の源・グルジアの食文化について教えていただいた。
食べ物の前に…グルジアってどんな国? グルジアは、ユーラシア大陸の真ん中にあり、面積は東北地方と同じくらい。ロシア、トルコ、アルメニア、アゼルバイジャンに国境を接し、1991年、アルメニア、アゼルバイジャンとともに旧ソ連邦から独立した。生活スタイルは、ロシアと同じヨーロッパスタイル。宗教も、ロシアと同じ東方キりスト教のグルジア正教。コーカサス諸国は、アゼルバイジャンだけがイスラム教で、グルジアとアルメニアはキリスト教。ロシアがキりスト教化したのは9世紀だが、グルジアとアルメニアはそれより早く、4世紀に国教になっている。キリスト教はグルジアの人々の心にしっかりと根付いている。国中いたるところに古い教会があり、そのどれもが今も大切にされ、多くの人が訪れていることからも分かる。「グルジア人の心の深いところにキリスト教があります。私も毎週礼拝に行くわけではないけれど、キリスト教が精神的支柱になっていると感じます」とメデアさんもいう。言語はグルジア語。今もロシアとの関係は強く、たいていの人がロシア語も話す。メデアさんもロシア語とグルジア語のバイリンガルだ。とはいえ、グルジア語はスラブ語系のロシア語とは系統がまったく異なる。コーカサス諸国では、アルメニア語はインドヨーロッパ語系、アゼルバイジャン語はトルコ語系、グルジア語だけがどの言語系にも属さない独立語だ。また、ほかにもさまざまな言語がグルジアで話されている。名前も独特だ。苗字で多いのは、最後に「シヴィリ」「ゼ」がつくもの。現在の大統領も、旧ソ連外相の「シェヴァルドナゼ」(2003年11月失脚)。有名なバレリーナのニナ・アナニアシヴィリも、スターリン(「鉄」という意味のロシア語のあだ名)も本名「ジュガシヴィリ」のグルジア人だ。名前はキリスト教に由来するものが多い。女性はグルジアにキリスト教をもたらした女性の名前「ニノ」、男性は聖書からとった「ダヴィット」、国名にも関係のある「ギォルギ」など。「メデアという名前はギリシャにもありますけれど、ギリシャ神話に出てくるメデアはグルジア人だと言われているんですよ。ロシア人の苗字や名前を見て、『この人もグルジア出身かな』と考えてみると親しみがわくかもしれないですね」。野菜や果物が一年中豊富な農業大国中でも有名な「グルジア・ワイン」 冬の厳しいロシアと違い、グルジアは気候温暖。コーカサス山脈のおかげで雨に恵まれ、四季があり、農業も盛んで、グルジアには新鮮な野菜を使った料理が多い。数えていただいた「アジァブ・サンダり」はそのひとつ。トマトをつぶしてそのジュースで夏野菜を煮込む。「グルシアでは新じゃがの最初のゆで汁には体に悪いあくが出るといわれているので、新じゃがの場合は、1回煮てその煮汁をゆでこぽしてから入れます。温室でつくった野菜も体に良くないので、アジァプ・サンダリは夏以外はあまり食べません」とは、新鮮な農作物が豊富に穫れるグルジアならではの話だ。「アジァプ・サンダリ」には、コリアンダーとイタリアン・パセリとディルを刻んで最後に入れる。この3つが、グルジアの代表的香草。特に、コリアンダーは、葉のままでも、粉にしても、それから、花や種までよく使うそうだ。季節ごとの果物も、グルジアの食を語る上で欠かせない。5月はいちご、それからチェリー、さまざまなプラム、桃、洋ナシ、8月はすいかとメロン、秋はぶどう、冬はみかんと、一年中条しめる。中でも有名なのは、ぶどう。グルジアワインのおいしさは世界に知られ、輸出量も多い。「ペラムシ」はぷどうの収穫時期につくる「グルジア人で嫌いな人はいないしという代表的なデザートだ。「収穫したぷどうをつぷして、ジュースを大なべで2時間も3時間も煮詰めて、小麦粉ととうもろこし粉を入れて、甘いおかゆをつくります。なべから出した後、なべの内側についた、甘いおこげをはがして食べるのが、子どもたちの楽しみ。人好きなおやつです。ペラムシづくりは、秋の大切な行事。子ども時代の楽しい思い出と結びついているという。「日本では、市販のぶどうジュースでもできます。何時間も煮詰めて甘さを出すのは大変なので、砂糖で甘さを調節すれば大丈夫」。 注目のカスピ海ヨーグルト産地はカスピ海のないグルジア。 さて、いよいよグルジアの健康の源・ヨーグルト(グルジア語で「マツォニ」)。特に、最近は「カスピ海ヨーグルト」が日本で大流行。これはグルジア産だが、面白いことに、グルジアとまったく接していない「カスピ海」の名前がついている。もうひとつ面白いことに、メデアさんは、日本に来て初めてこのヨーグルトの存在を知った。「日本で『カスピ海ヨーグルト』といわれているものは冷たい牛乳からつくると聞きました。確かにグルジアのどこかの村でつくっているらしいけれど、グルジア人が普通に食べるのは、牛乳を沸かしてつくるヨーグルトなんです」。メデアさんは、日本で市販のヨーグルトを食べても遜色は感じなかったという。グルジアでも一般家庭ではあまりヨーグルトはつくらない。毎日ヨーグルト売りが来たり、お店に行ったりして、瓶に入れて買ってくる。朝ごはんなどで、家族3人1リットルくらいは軽く食べてしまうそうだ。また、肌に塗ってパックしたりして、美容にも使う。特に日焼け後のほてリをとるにはおすすめだという。もちろん、古くなったヨーグルトも無駄にしない。「マツォニス・スピ」は、すっぱくなったヨーグルトを使ってもおいしくつくれる、いわば「冷蔵庫の残り物」料理。酸味が食欲をそそる。今、メデアさんが食べているのは、日本の牛乳とグルジアの種を使ったヨーグルト。種は、グルジアに旅行した日本人の知人が持って帰ってくれたヨーグルトを便っている。つくり方は、まず牛乳をわかして、少し冷めたらガラス瓶に入れる。ガラス瓶を手で触って10数えられるくらいまで牛乳が冷めたら、種のヨーグルトを人さじ1杯くらい人れて、ティッシュ・ペーパーでふたをする。冷めないようにまわりをくるんで、一晩(夏は8時間、冬は12時間くらい)置いておくと、翌朝には出来上がり。「こつは、とにかく暖かさを保つこと。まわりをおおうのに、私は毛糸でカバーを編んだけど、布団でもセーターでも何でもいいです。グルジアの牛乳は脂肪分が多いので、上に黄色い膜がはるくらいだけれど、日本の牛乳でも十分おいしいです」。できあがったばかりのヨーグルトは、酸味があって、のど越しさわやか。一瓶くらいは一気に食べてしまえそうだ。シルクロードが通っていたグルジアには、「ヒンカリ」という餃子のような料理もある。また、チーズ入りのパン「ハチャプリ」も、代表的な食べ物だ。「グルジアのパンは日本のより固い。日本にもチーズパンはあるけど、やはりハチャプリとはちょっと違いますね」。 |
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★グルジア料理の作り方★ ![]() ヘルシーなグルジア料理。手前右からアジャプ・サンダリ、左がマツォニス・スピ、その後ろがペラムシ |
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○マツォニス・スピ(ヨーグルトスープ) |