イーゴリ公
Prince Igor
アレクサンドル・ポルフィーリエヴィチ・ボロディン
Alexander Porfiryevich Borodin(露1833年11月12日〜1887年2月27日)
台本:作曲者自身(ロシア語)
原作:作者不詳と考えられている12世紀の叙事詩『イーゴリ軍記』を元に書かれたヴラディーミル・ヴァシーリエヴィチ・のシナリオ
初演:1890年10月23日(新暦11月4日)
サンクト・ペテルブルグ、マリンスキー劇場(ロシア)
演奏時間:全4幕(プロローグ20分/1幕1場17分2場30分/2幕58分/3幕24分/第4幕31)合計約3時間
楽器編成:3Fl(2Pic),2Ob,EH,2Cl,Bs-Cl,2Fg/4Hr,2Tp,3Tb,Tub/Tim,5perc(BD,Cym,SD,Trgl,Tamb,Glock)/Hp/Str
(Prelude - Polovtsian March) banda: 2cnt, 2althn, 2tenhn, 2barhn, tuba, SD
概説:このオペラは1868年〜87年にかけて作曲され、未完に終わったのにもかかわらず、間違いなく彼の一番の大作であると言われている。ボロディンは「※ロシア五人組」の一人であり、本職が化学者であった。働きながら限られた時間で作曲をしていたために、19年もかかってしまった。彼の死後に同じロシア五人組の一人であったリムスキー=コルサコフと、その弟子のグラズノフによって全曲が完成された。ボロディンが亡くなった時点ですでに完成していた箇所は、プロローグの最初の合唱や『ダッタン人の踊り』が含まれているポロヴィッツ人の陣営の場面などであった。第2幕の『ダッタン人の踊り』は特に有名で、独立してコンサートでも演奏される。近年では「序幕 第2幕 第1幕 第3幕 第4幕」の順で演奏されるケースもある。
※ ロシア五人組とは、19世紀後半のロシアで、民族主義的な芸術音楽の創造を志向した5人の作曲家集団のこと。(バラキレフ、キュイ、ムソルグスキー、ボロディン、リムスキー=コルサコフ)
※ 『ダッタン人の踊り』は原語では『ポロヴェッツ人の踊り』で、そもそも違う民族であるが、中央アジアから東ヨーロッパの遊牧民族というイメージから、訳者が日本人により親しみのある『韃靼人』(ダッタン人)を使用したと思われる。
by AS
最終更新:20100120
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