第11景/客間
ミス・ピンカートンがミス・トッドに向かい「昨夜酒屋に泥棒が入ったらしい。」と話している。ミス・トッドが冷や汗をかきながらその話を聞いていると、2階のボブの部屋から楽しげに歌う彼の声が響く。いぶかし気にミス・トッドを見つめるミス・ピンカートンの視線に、いよいよごまかし切れないと覚ったミス・トッドは、女中のレティーシャに助けを求めた。レティーシャは「すぐに逃げましょう!」と言った。
第12景/ボブの部屋
早速ボブを呼びに行ったミス・トッドとレティーシャは、ボブが酔い潰れて寝ているのを必死で起こし、早くここから逃げましょうと捲し立てた。突然のことに訳も分からず理由を尋ねるボブに、あなたは脱獄犯なのでしょう?とミス・トッドが言うと、ボブは驚き違うと答えた。その言葉に今度はミス・トッドが驚いたが、もう後には引けない。
自分は彼のために犯罪まで犯してしまったのだから..。「お金やお酒を受け取ったあなたも共犯よ!私の愛に応えて一緒に逃げるのよ。」とミス・トッドが言うと、ボブは呆れて、こちらには愛がないと告げる。それを聞いたミス・トッドは怒りが爆発!これまで尽くしてきたのは一体何だったのかと、自分の罪を全てボブに擦り付けることにした。ミス・トッドはレティーシャにボブの見張りを頼むと、一目散に警察へと向かった。
第13景/同じくボブの部屋
ボブと一緒に部屋に残された女中のレティーシャは、街の名士であるミス・トッドの言うことなら、警察も信じてしまうだろうと思い、さてどうしたものかと考える。ボブを警察に引き渡してしまうのが惜しいからだ。そこでレティーシャはボブと逃げることにし、2人は家中の物をまとめミス・トッドの車に乗って出て行ってしまった。
第14景/ミス・トッドの家
怒りに任せて家を飛び出したものの、やはりボブへの想いが断ち切れないミス・トッドは、思い直して自宅へ戻って来た。すると家中の物も車もなく、ボブとレティーシャの姿もないではないか。2人で逃げたと解り、ミス・トッドはあまりのショックに気絶してしまった。(幕)
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