【基礎データ】
マゼッパ/マゼーパ
Mazeppa/Masepa
作曲/ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー/Pyotr Ilyich Tchaikovsky(1840~1893)
台本/ヴィクトル・ブレーニン/Viktor Burenin,ロシア語,チャイコフスキーによる改訂(ヴァシリィ・カンダウロフのテクストより第2幕のマゼッパのアリア加筆,他)
原作:アレクサンドル・セルゲエヴィチ・プーシキン/Alexander Sergeyevich Pushkin(1799~1837),詩「ポルタヴァ/Poltava」,ロシア語
初演:1884年2月15日(新暦)、モスクワ、ボリショイ劇場/Moscow, Bolshoi Theatre,同2月19日、マリインスキイ劇場/Mariinsky Thatre
演奏時間:(序曲6分,第1幕1場39分第2場16分,第2幕第1場18分第2場37分第3場15分,第3幕46分)合計約2時間57分
楽器編成:3Fl,2Ob(EH),2Cl/4Hr,2Tp(Cort),3Tb,Tb/Tim,2Perc/Hp/Str/Banda
概説:「マゼッパ」はチャイコフスキー2作目のオペラである。1709年に勃発したポルタヴァの戦いでロシアに敗れたウクライナの英雄マゼッパを題材に、壮大な歴史物語を描いたプーシキンの詩「ポルタヴァ」が原作である。チャイコフスキーはこの悲恋と政治的裏切りの物語に魅せられ、台本作家ブレーニンに仕事の依頼をしたが、出来栄えに満足出来なかった。そこで自らプーシキンの詩を加え直し、マリアに報われぬ愛を捧げるアンドレイ役を加え、クライマックスを書き換えるなど推敲を重ねた。モスクワでの初演は好意的な評価を得たが、4日後に上演されたサントペテルスブルクではあまり歓迎されなかった。しかし悲劇の運命に翻弄されながらも、それぞれの愛に懸命に生きた人々のアリアは大変感動的であり、終幕に狂気のマリアが歌う子守唄は、鳥肌の立つような悲しみを訴えて涙を誘う。
by MI
最終更新:2009年7月30日

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