<第3幕>
第1場/パリのサロン
 ルルとアルヴァはパリへと逃げて、再び贅沢な暮らしをしていた。ある日知人を集め華やかなパーティーをしていると、客の一人の侯爵がルルに近寄り「娼婦として働かないか」と持ち掛ける。パーティーのお客たちは隣の遊戯室へ遊びにいっていたので、部屋には2人きりになっていた。彼はルルの脱獄を知り「警察に訴えるぞ!」とお金を脅し取っている売春斡旋業者で、最近いよいよお金が尽きてきたルルを、カイロにでも売り飛ばそうと目論んでいた。それは嫌だとルルが懇願しているところへ客たちが戻って来た。侯爵から逃げるように部屋の隅にいったルルは、今度は力業師ロドリーゴから渡されたメモを見る。力業師のロドリーゴや同性愛者の伯爵令嬢ゲシュヴィッツ、シゴルヒ老人も変わらずルルから離れずにいた。ロドリーゴのメモには侯爵同様、お金を無心する脅迫の内容が書かれていた。もうどうにもならないと焦るルルに、今度はゲシュヴィッツが近付き「最近貴女の態度が冷たい!」となじる。ルルはこの状況から何とか逃げ出さねばと思案を巡らせ、シゴルヒを利用することにした。脅されていると儚げに泣きつくルルに、シゴルヒは「ロドリーゴを我が家に連れてくればすぐにでも殺してやる」と約束する。その代わりにと体を求めてくるシゴルヒを上手くかわし、ルルは彼の住所だけ聞き出しその場を離れた。その時召使いがユングフラウ株暴落を知らせる電報を持って来て、客である銀行員に渡した。その日のパーティー客の殆どがユングフラウ株に多額の投資をしている人たちで、株の急騰をついさっきまで喜んでいたばかりなので、株暴落の知らせに銀行員は愕然とした。
 一方ルルを脅している侯爵は、ロドリーゴも同じ様にルルを脅していることを知り、そっちにお金を取られては大変とこっそりサロンを抜け出し警察へと向かう。ルルはロドリーゴ殺害の準備にかかり、ロドリーゴには「ゲシュヴィッツはあなたに気があるようなので、仲を取り持てば大金をくれると言ってるわ。」と言い、ゲシュヴィッツには「ロドリーゴに脅されているのだけど、あなたが彼のものになって警察には知らせないように言ってもらえる?」と言い、2人をシゴルヒの家で会わせる手筈を整えた。
 その時ルルは侯爵がいないことに気付く。とうとう警察が来ると思ったルルは、自分に気がありそうな召使いの男に衣装の交換を頼み、別室へと消えた。サロンでは再び遊戯室から戻ってきた客たちが、株の暴落を聞き騒然となっている。そんな中、召使いの格好をしたルルが現れアルヴァを呼ぶと、2人は裏口から逃げ出した。駆け付けた警察官は女装をした召使いの男を捕まえ、後から来た侯爵に別人だと告げられる。召使いはしてやったりと声高に笑った。
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