第3場/劇場の楽屋
 ルルは、シェーン博士の息子アルヴァの作曲した作品の舞台に立つようになり、踊り子として成功していた。ある日アルヴァが楽屋でルルにシャンパンを勧めていると「今日お父様は劇場にいらっしゃるの?」とルルが聞く。知らないと答えるアルヴァに「婚約者といるせいなのね!」と不機嫌になるので、アルヴァは話を逸らそうと、今ルルに夢中になっている公爵の話をし始めた。するとルルが「彼は私と結婚してアフリカへ行くと言っているわ。」と言うのでアルヴァは驚く。今度は昔話を始め、自分は病弱な母が亡くなった後、父親にルルとの結婚を薦めたのだと話す。しかしルルは「あなたのお父様は今はこうやって私を人前で躍らせて、私の結婚相手を探しているのよ!」とアルヴァを睨みつけ舞台へ出ていった。残されたアルヴァは、ルルのことをオペラにできないかと一瞬構想を巡らせたが、とても無理だとすぐに断念する。そこへルルに求婚している公爵がやってきて、暫くアルヴァにルルの素晴らしさを語っていたが、俄かに舞台の方が騒がしくなったので、2人は何事かと楽屋の入り口を覗き込んだ。するとルルが舞台で倒れてしまったと運び込まれて来た。少し休みたいと言うルルの元へ、慌てた様子のシェーン博士がやって来て「私が婚約者といたから当て付けでこんなことをするのだろう!さあ踊れ!」と息巻いた。ルルは「貴方の婚約者の前では踊りません!」と言うと仲間たちを舞台へ戻らせ、博士と2人きりになった。暫くはルルへの怒りで興奮していたシェーン博士も、ルルにじっと見つめられ哀れな態度で別れを仄めかされると、何故だか心が揺さぶられ、結局はルルに言われるがままに婚約破棄の手紙まで書いてしまう。逃れようもないルルの魔力に取付かれた博士は「今度は死刑宣告をされるに違いない!」とその場でうなだれたが、そんな博士を尻目にルルは晴れやかな顔で舞台へと戻っていった。

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