【基礎データ】
イオランタ
Iolanta
Iolanthe
作曲:ピョートル・イリイーチ・チャイコフスキー/Peter Ilyich Tchaikovsky(1840~1893)
台本:モデスト・チャイコフスキー/Modest Tchaikovsky(1850~1916)ロシア語
原作:ヘンリタ・ヘルツ/Henrik Hertz(1798~1870)「ルネ王の娘/Kong Rene’sDatter/King Rene’s Daughter」デンマーク語、このロシア語翻訳(フョードル・ミラー)をもとに書かれたヴラディミール・ゾートフ/Vladimir Zotovの脚本
初演:1892 年12月6日、サンクド・ペテルブルク/St.Petersburg、マリーンスキー劇場/Mariinsky Theayre
演奏時間:前奏曲3分,第1幕,第1景10分,第2景2分,第3景4分,第4景14分,第5景6分,第6景6分,第7景21分,第8景9分,フィナーレ6分、合計約1時間17分
楽器編成:2Fl,2Ob(EH),2Cl/4Hr,2Tp,3Tb,Tub/Tim/2Hp/Str
概説:「イオランタ」はチャイコフスキーの10番目で最後のオペラである。当時ヘルツ原作の「レネ王の娘」は大変人気があり、多数の訳本が出回っていた。チャイコフスキーもこの単純でロマンティックな話に感銘し、バレエか劇付随音楽かの形で音楽にしたいと考え、最終的にオペラ化を決めた。初演は好評を得るが、チャイコフスキー自身はあまり内容に満足せず、書き直しを考えていたようである。しかしレネ王の苦悩を歌う有名なアリオーソ、医師ハキアの雄弁、愛し合う二人の二重唱など、美しいアリアがふんだんに盛り込まれ、分かりやすい筋運びで飽きる事なく一気に聴かせる。ロシアでは社会主義時代に、視力を取り戻したイオランタの喜びを「神」ではなく「光」に感謝するという内容に書き換え(ボリショイ版)、宗教的なものが排除された。
by MI
最終更新:2009年8月28日

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