第3幕:再びフリッツ家
遠くから婚礼を祝うアルザス民謡が聞こえる。フリッツが一人スゼルとの恋にもだえているとベッペが訪れる。フリッツの恋の悩みを察したベッペは慰めに、カンツォーネ「忘れられないあの人」を歌うが、彼の心は一層沈む。ベッペは仕方なく帰っていく。再び一人になったフリッツは、恋の思いを歌う。「おお恋、美しい心の光」。そこにダヴィッドが現れ、フリッツにスゼルの結婚話を持ち出す。彼女の父親がフリッツの同意を求めに来ると言うので、フリッツは怒って出て行く。入れかわりにスゼルがフリッツに果物を届けに来るが、涙ぐみ元気がない。そこでダヴィッドは、私が戻るころには笑っているだろう、と元気付けて出て行く。残されたスゼルは自分の不幸を嘆く。悲歌「涙と苦しみしか残らない」。フリッツが戻ってきてスゼルの悩みを知り、自らも愛を告白する。スゼルも秘めていた想いが叶い、情熱的な愛の喜びを歌う。そこにダヴィッドが姿を現し、賭けは自分の勝利だが、もらったぶどう園をスゼルに贈ると言って喝采を浴びる。フリッツは独身の仲間に「君たちも今にいいことが…」と言い、「おお恋、美しき心の光」と愛を讃え、幕となる。
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