【あらすじ】
時と場所:11〜12世紀、ダマスカス
第1幕
第1場/ダマスカスのイドレーノ王の宮殿
キリスト教遠征部隊である十字軍は、イスラム教の領地から聖地エルサレムを奪還すべく戦いを続けていた。いよいよ十字軍はヨルダン河を越え、イドレード王の領地ダマスカスに軍を進めてきた。そこでイドレード王は魔女アルミーダを十字軍に送り、その魔力で十字軍の勇猛果敢な騎士リナルドを籠絡しようとした。計画通りアルミーダの虜になったリナルドは、仲間の十字軍に反旗を翻し、異端であるイスラム教の騎士として戦う決意をする。そしてダマスカスを守るために戦うことをイドレード王に誓い、アリア「喜んで戦いに赴こう!」と歌い出陣する。見送るイドレード王は「戦いに勝利した暁には、アルミーダばかりでなく、ダマスカスの領土も与えよう!」と歌い、嘘の約束をする。しかしアルミーダは心ならずも、本当にレナルドを愛してしまったため、戦地に向かったリナルドの命が心配でならない。愛と使命の狭間で引き裂かれんばかりの痛みをアリア「神よ、私の苦悩と痛みを憐れんで下さるなら」で歌いあげ、リナルドの生還を祈る。
第2場/不気味な山の頂にある魔女アルミーダの城
そのころ、十字軍の騎士ウバルドとクロタルコは魔女アルミーダに溺れる同志リナルドを救い出そうと、アルミーダの城を目指していた。山の頂にある城は、不気味な気配に満ち、勇敢なウバルトも「神よ、勇気を!」と祈りながら進んでいった。すると騎士クロタルコは、イドレード王の許嫁、エジプト王の美しい娘ゼルミーラに出会う。ゼルミーラもまたイドレード王の命令で騎士クロタルコを破滅させるために遣わされて来たのだ。しかしゼルミーラもクロタルコを一目みるなり恋に落ちてしまい、「私について来るなら」と歌い、王の命令を忘れクロタルコを安全にアルミーダの城に導くのである。
第3場/アルミーダの城
イドレード王は武力をもってしても、魔力をもってしても十字軍の進撃を止めることはできなかった。アルミーダは愛するリナルドが仲間たちの所に戻らないように約束させる。そこに騎士ウバルトが現れ、リナルドにキリスト教徒たる誇りと、任務を思い出させようとする。アルミーダ、リナルド、ウバルトの譲れぬ思いがぶつかり合う。リナルドは自分の不甲斐無さに罪悪感を覚えながらもアルミーダとの愛を選び、ウバルトは去っていく。残ったアルミーダとリナルドは二重唱「愛しい人よ、私は誠実だ」で二人の愛を歌う。

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